ココナッツオイルで今すぐアルツハイマー病をストップさせよう!
三木直子 訳
(原題: Stop Alzheimer’s Now!)
<訳者まえがき>
人口の高齢化が進む日本で、認知症をわずらう人の増加は大きな社会問題です。厚生労働省によれば、65歳以上で認知症とされる人は2012年時点で約462万人と推計されており、中でもアルツハイマー病が最も多いと言われます。この数字は今後、増えることはあっても減ることはないでしょう。
本書は『ココナッツオイルでアルツハイマー病を今すぐストップさせよう!』というタイトルがついていますが、実は、本書の提案によって改善や予防が期待できるのはアルツハイマー病をはじめとする認知症だけではありません。パーキンソン病、ALS、多発性硬化症その他、神経変性疾患と呼ばれる一連の疾患に悩む方にも有益な情報が詰まっています。また、単にココナッツオイルをとれ、と言っているのでもありません。正直なところ、本書は、現在身の回りで神経変性疾患を患う人を看病されている方、あるいは、健康に歳を重ねるために今自分にできることをしたい、と「本気で」考える方以外は、読むことをお勧めしません。なぜならば本書は、食生活だけでなく、生活習慣を根本的に見直すことを読者に迫るからです。ですから、その覚悟がある方だけ読んでいただきたいのです。
著者のブルース・ファイフ博士には、自然療法医師(N.D.)という肩書があります。これは、いわゆる代替医療の一つとして、本来人間が持つ自然治癒力を基本とした自然療法を実践する医師のことを言い、修士レベルの4年間の専門教育を受けた人にだけ与えられる資格です。そのカリキュラムには、解剖学、生物学、臨床検査、心理学などの一般医学教育に加え、栄養学、カイロプラクティック、指圧、気、ハーブ学などの専門的教育が含まれます。西欧的な一般医学と各種の伝統医学、その両方の良いところを併せ持つアプローチと言えるでしょう。米国では、17州と3つの地区が N.D. による治療を許可しており、治療費が保険でカバーされる州もあります。
そういう立場で書かれた本書には、いわゆる西欧医学で「常識」とされてきたことを覆す情報がたくさん含まれています。それを「偽科学」と呼ぶ人もいることでしょう。ですが、著者の提言は、数多くの研究結果の分析に基づいており、科学的な裏づけがあります。アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の原因や治療法について、これほど包括的かつわかりやすく網羅されている本はほかにないと思います。まずはお読みになって、これが信頼できる情報かどうか、ご自分で判断なさってください。
ただし、情報が膨大ですから、読み通すのはなかなか大変です。そこで、内容ができるだけ把握しやすいよう、見出しと太字部分を読むだけでもおおよその内容が伝わるように工夫しました。時間がない、あるいは、自分には何ができるのかを一刻も早く知りたいという方は、第1章のあと、第4章と第5章をお読みください。さらに、第2章、第3章をお読みになれば、著者の提言の意味をより深く理解できます。いつまでも健康でいたいと本気でお考えの方には、心強い味方になってくれる本です。
◉ より詳しい内容については、 WAVE出版のホームページ をご覧ください。
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築地書館より 2014年 12月 3日発売。
こちらからご購入いただけます。